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2014年 10月 06日

カラフルトマトのハニーマリネ「リトル・フォレスト 夏編・秋編」

リトル・フォレスト 夏編・秋編

監督: 森淳一

出演: 橋本愛、三浦貴大、松岡茉優、温水洋一、桐島かれん




予告を見たときにはあまり惹かれなかった。伝えたい部分が台詞で説明されすぎている気がしたし、田舎暮らしの綺麗な部分しか描かれていない、カタログ的な映画に見えたから。


でも見に行って本当によかったと思えたのは、欠点を軽く吹き飛ばしてしまうほどの、魅力に溢れた作品だったから。


映画は、湿気を防ぐために、なんと初夏にストーブを炊くところから始まる。

夏から秋への季節の移ろいの中で、淡々と日々の仕事と食事のシーンが続く。

橋本愛の透明感に、段々目が離せなくなる。

時々周りの人と交わって、またすぐ1人に戻る。まるで小動物同士のように、ささやかであっさりとした交わり。


もちろん、農作業の量とか、本当に田舎暮らしを知っている人から見たら、ちょっと突っ込み所はあるのだけれど。 周りの人もいい人ばかりで、地方の人間関係の煩わしさがないのが嘘っぽいとか、言うのは簡単だけれど。

見ていくうちに、そういう部分は、わざとそうしているのかもしれないと思えてきた。これはドキュメンタリーではないのだから、それでいい。

時間をかけて、観客が脳で「美しい」と感じるものを見せていくことで、「不快」と感じるものはあえて細かく描写しないことで、観客の五感を、少しずつ少しずつ開いていくのだ。そうでないと、不要な情報に囲まれた現代人の私たちの感覚は、簡単に閉じてしまうから。


圧巻だったのは、音響。

虫の音、鳥の声、だけじゃない、耳で聞こえない音もきちんとパッケージされているような気がして、いつの間にか、里帰りして、夜の真ん中に立っている気持ちになっていた。

だから、この映画は、映画館で観るのが断然いい。


見終わって、丁寧な生活に「憧れる」映画や本はたくさんあるけれど、この映画は、見終わった後、知らず知らずのうちに、体内のリズムが少し変わっていて、無意識に仕草が丁寧になっていた。そんな映画。


川魚やミズトロロや捌いたばかりの合鴨など、真似したくても食材が手に入りにくい料理も多かったのだけれど、手作りのホールトマトは、簡単に真似できて便利そうなレシピのひとつ。


カラフルトマトのハニーマリネ「リトル・フォレスト 夏編・秋編」_c0333473_01220344.jpg

カラフルトマトのハニーマリネ

赤、オレンジ、黄色など、色々なミニトマトやミディトマト 計300グラムほど

蜂蜜 大さじ3

レモン汁 大さじ2

ミント


1.トマトはヘタを取り、ヘタの反対側の皮に薄く十字の切り目を入れる。

2.熱湯で20秒ほど加熱し、ざるにあけて冷水に取り、皮をむく。(湯むき)

3.蜂蜜とレモンを合わせたものに漬けこみ、2時間ほど冷蔵庫で冷やす。

4.グラスに盛り、ミントの葉を飾る。



by cinemarecipe | 2014-10-06 01:25 | 日本映画


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